人間の背骨は椎骨と呼ばれる骨が積み木のように
積み重なって構成されていて、頚部、胸部、腰部の
それぞれの部位で頸椎、胸椎、腰椎と呼ばれています。
そして、その椎骨と椎骨の間にあるのが椎間板です。
椎間板は中心部のゼラチン質の髄核と、その周りにある
繊維状の繊維輪という軟骨から出来ています。
体を曲げる、反る、捻るなどの様々な動きから椎骨にかかる
衝撃を和らげる「クッション」の役割をしています。

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椎間板ヘルニアとは |

この椎間板に過度の負担や衝撃が加わることで
繊維輪に亀裂が生じ中心部にある髄核が膨らん
だり(膨隆)飛び出した状態(脱出)をヘルニア
と言います。
そして、このような状態(膨隆や脱出)の椎間板
が神経を圧迫することで腰から下肢への激しい痛
みやシビレなどの症状を引き起こすと考えられて
います。
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椎間板ヘルニアの主な原因 |
・ 慢性的な不良姿勢の習慣化
足を組む、デスクワークでの姿勢、横座り、背骨・骨盤の歪み
掃除・洗い物、介護作業、荷物の肩掛けなどの体癖、運動不足
・ 長時間、連続した負担姿勢
職業上の負担姿勢(タクシードライバー、長距離トラックなど)
スポーツでの激しい負荷動作(ゴルフ、テニス、ラグビーなど)
・ 転倒、事故などの外傷
・ 椎間板の変性(老化)
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腰椎椎間板ヘルニアの主な症状 |
・ 朝、起床時の痛み
・ くしゃみ、せきをすると腰にひびく
・ 腰が痛くて顔が洗えない
・ 腰だけでなく、おしりから下肢にかけて
痛みやしびれがある
・ 足の指に違和感があり足に力が入りにくい
・ じっと座っていることがつらい
・ 長く立っていられない
ヘルニアのある腰部の症状だけでなく、おしりや
下肢への関連痛(放散痛)を伴うことが特徴です。
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ヘルニアと下肢放散痛 |
ただし、腰部の症状と下肢への放散痛が両方ともヘルニアに
よるものかどうかは慎重に見極める必要があります。
一般的に、椎間板ヘルニアは椎間板により神経が圧迫されることで、
痛み、シビレが生じると言われていますが、中には画像診断で
ヘルニアと認められるにもかかわらず痛みやシビレの訴えがなかったり、
これとは逆に、ヘルニアが確認されないにもかかわらず、腰下肢の痛み、
シビレを訴える方もおられます。
メディカルの先生の中にもヘルニアによる神経圧迫と腰下肢の
痛みシビレとの関連性に否定的な考えの先生もおられます。
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当院の椎間板ヘルニア施術 |
当院ではまず、その痛みシビレにヘルニアが関与しているかどうか
を調べていきます。圧痛、可動域、筋力等の検査やデルマトームに
沿った感覚の鈍麻や消失の有無、PTR・ATRなどで反応を評価
しながらヘルニアが関係しているかどうかを判断していきます。
同時に、下肢への放散痛にもヘルニアが関与しているのかどうか、
ヘルニアとは別の原因で発症しているものなのかを検査を行いながら
調べていきます。
「ヘルニアだから腰が痛い」と訴える方の中でも、お話を伺うと病院
で画像診断を含めた細かな検査を受けていなかったり、過去に施術を
受けた治療院などで言われただけという話はよくあります。
そのため、医師からヘルニアの診断を受けた方も、まずは全身の状態を
確認させて頂き、現在のお身体の状態がどのような状態かお伝えします。
お身体の状態に合わせて症状に関係している筋肉や靭帯などの軟部組織
の緊張や癒着を取り除き、骨盤から脊柱のバランス調整を行います。
さらに日常生活での注意点や、食事、睡眠などの生活習慣での改善点を
お伝えして、症状の悪化防止、再発防止に努めていきます。
椎間板ヘルニアや坐骨神経痛などの施術では改善までにある程度の期間を
要します。(2~3カ月程度の施術計画でまずは進めていきます。)そのため、
手術を検討している方や早期改善を望まれる方にはご希望に添えない場合が
ございます。
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