ぎっくり腰

腰痛には急な腰の痛みの「急性腰痛」と、数か月続く腰の痛みの「慢性腰痛」があります。突然の急な痛み「急性腰痛」の代表としてぎっくり腰があります。若い方から年配の方まで、男女を問わず突然起きる腰の痛みで、初めて経験される方はとにかく激しい痛みから冷静な判断ができずに何をどうしたらいいかわからない方もおられるのではないでしょうか。

ここではぎっくり腰について主な症状や注意点、対処法、当院での施術内容などをお伝えします。

ぎっくり腰・・・きっかけは?

当院でぎっくり腰の症状で来院された方のぎっくり腰になった時の状況をお聞きしてみました。

  • 朝、顔を洗おうと腰をかがめた時(女性)
  • 仕事の作業中で、荷物を持ち上げた時(男性)
  • 床に落ちた物を拾い上げようとした時(女性)
  • 買い物を終えて車に乗り込んだ時(女性)
  • 車に乗ってシートベルトをしようと手を伸ばした時(男性)
  • 朝、布団から出て起きようとした時(男性)
  • 入浴中に浴槽のお湯を洗面器で汲み取ろうとした時(男性)
  • 会社に出勤して自分の机の椅子に座ろうとした時(男性)

どうでしょうか?何か特別なことをやっているでしょうか。全然普通ですよね。階段を踏み外して腰をしたたかに打ってしまったならわからないでもないですが、ぎっくり腰になった時のきっかけはこの程度なのです。しかしながら、皆さんに共通して言えるのは直後に突然激しい痛みが出たということです。

次に来院された方がぎっくり腰になって困ったことをお聞きしました。

  • とにかく少しでも動くと強い痛みがある
  • トイレに行くにもまっすぐ歩いて行けない
  • ぎっくり腰になった初日はまともに歩けずに家では四つん這いで動いていた
  • 横になって安静にしていても、寝返りや姿勢を変えることが痛くて出来ない
  • 咳をすると腰に痛みが出るので、なるべくしないように意識してしまう
  • 椅子から立ち上がる動作が痛くて簡単には出来ない

 

いかかでしょうか。皆さんの中で自分もこんな痛みを経験したことあるという方は急性腰痛、つまりぎっくり腰の可能性が考えられます。

 

 

ぎっくり腰になったら注意すること

  • 発症直後は痛むところを揉んだり強く押したりしない
  • マッサージなどでは痛むところを揉まない、強圧しない
  • 少しでも楽になる姿勢があればその姿勢を心掛ける
  • 基本的には痛む部分を冷やす(アイシング)
  • ある程度動けるようになるには1~2週間程度の時間が必要
  • 痛みがあっても出来るだけ歩くなどして体を動かすことを心掛ける

ぎっくり腰になった時に自分でできるセルフケアに何があるの?何が出来るの?
この突然の激しい痛みを早く何とかしたいと考えるのは当然のことだと思います。


ぎっくり腰を発症した直後から数日はおそらく組織の炎症が起きている可能性が考えられます。炎症を起こしている組織を揉んだり押したりすることは炎症をさらに増悪させてしまうことになります。だから、揉んだり押したりすることはお勧めしません。捻挫や骨折で想像してみてください。捻挫や骨折の際も炎症反応が見られますが、固定してしばらくは安静にしますよね。骨折直後にぐいぐい押したり揉んだりするでしょうか。しないですよね、絶対にありえないです。
同様に通い慣れているマッサージ店などでも注意が必要です。ぎっくり腰になった場合はどうしても痛みを早く取り除きたい気持ちから、マッサージをすることで痛みが解消するのではと考えがちですが、リスク管理を無視した一方的な施術だと症状をさらに悪化させてしまう可能性があります。



もっとも簡単なセルフケアとして冷やす・温めるの二つの方法がありますが、ぎっくり腰の場合どちらの方法がベストなのかで意見が分かれることもあります。

ぎっくり腰を経験した人からは絶対冷やすべきだと言われたけど、別の人からはぎっくり腰でも温めたほうが良いよと言われたりすると判断に困ってしまいます。

どちらも間違いではないですが、状況によって使い分けるのが最も効果的だと言えます。

状況によって使いわけると言われてもその状況がどっちなのかわからないという方は、とりあえず両方試してみてもかまいません。冷やす・温めるの両方を試した後で、どちらか反応が良いほうを続けていきます。試したうえで、自分の体の反応に素直に従えばいいのです。

基本的には発症直後の炎症を伴う激しい痛みに対しては冷やすのがベターです。炎症がおきると発赤や腫れ、熱感、痛みなどの徴候が見られますが、冷やすことで炎症を抑制することが出来るからです。炎症が抑制されればいくらか痛みも緩和することになりますから。

 

氷嚢や氷枕などがあればそれを使って冷やします。身近に冷やすものが無ければスーパーなどに行けば氷を無償で頂けるのでそれを使って行います。
肌に直接当てるよりはタオルなどで包みながら冷やすようにします。
時間は1回につき10~20分程度を目安に数回行いますが、必ず休憩を挟みながら行ってください。長時間の連続使用は悪化の原因になりますので、経過時間に注意しながら行って下さい。


 

炎症の症状が無ければ温めていきます。ホットタオルやホットパットなどで患部を温めていきます。浴槽でゆっくり患部を温めたり、シャワーを当てるのもいいですね。

湯たんぽやホッカイロも温めるのに有効ではありますが使い方にはくれぐれも注意してくださいね。冷やす時と同様に温める時も長時間の連続使用に注意してください。
時間は1回につき20~30分程度を目安に数回行ってください。

 

発症直後の激しい痛みも安静にしていれば数日で軽減していきます。(大きな台風と一緒で安全な場所で通過するまで待つのが賢明です。)それまでは何とか痛みが軽くなる姿勢を探し、腰に負担をかけ過ぎないようにします。横向きが楽ならば抱き枕のように膝にクッションなどを挟んだり、仰向けで膝を立てると楽な場合は膝の下にもクッションなどを置くなどして、少しでも痛みが和らぐ姿勢を見つけてください。

ただし、いつまでも安静にしておくのも問題です。激しい痛みは無くなったとしても痛み自体は数週間続くこともあります。まだ痛みがあるからといって動くことに慎重になり過ぎると回復を遅らせてしまいます。少しずつでも腰から遠い所から、例えば足首を回したり膝の曲げ伸ばし、肩甲骨周りの簡単なストレッチなどを行います。立って歩ける場合は、短い距離でも歩くことを心掛けましょう。

 

何と言ってもぎっくり腰の特徴と言えば、突然に起こる激しい痛み。

何度か経験されている方なら冷静に対処できるかもしれませんが、初めての方は痛みとともに焦りや恐怖も感じると思います。

まずは落ち着いて、そして、この激しい痛みについて理解することも大切です。

腰周辺に負担や疲労が積み重なり、それが慢性化することで次第に筋肉組織が壊されて正常に機能しなくなります。ひどい時はぎっくり腰を発症したりします。
筋肉組織が壊れるとそれを修復してくれる専門のプロの方々が修理にやってきます。
プロスタグランジン、ブラジキニン、ヒスタミンやロイコトリエンなどのホルモン物質がそうです。これらの物質の働きのおかげで組織が修復されるのですが、同時にこの修復作業には副反応として炎症反応も引き起こします。この炎症反応によりぎっくり腰独特の激しい痛みを感じるのです。


例えるなら、道路工事の状況によく似ていると思います。道幅が広くなる、きれいになって走りやすくなるのは良いことなんですが、工事期間中は通行制限に協力したり、現場の近隣にお住いの方は騒音に悩まされるなどで、イライラやストレスに感じると思います。
道がきれいになる、広くなって走りやすくなるまでの辛抱とは言え、それまでのイライラやストレスは車を運転される方なら、一度くらいは経験されたことがあると思います。

ぎっくり腰の激しい痛みもこのように修復作業中に起こる反応なので、絶対に慌てないことです。この激しい痛みは身体にとっては必要な痛みなのです。

必要な痛みと理解した上で、それでも激しい痛みで辛い状況であれば、鎮痛剤の使用も間違いではありません。アイシングの活用も間違いではありません。ただし、あくまでも一時的なものであり繰り返しの服用や長時間の連続使用には気をつけてください。

薬やアイシングのおかげで少し楽になったからと言って、繰り返し何度も使い続けるのは結果的には修復作業を遅らせる、中途半端な状態で終わらせることになります。つまり、慢性腰痛に移行したり、椎間板ヘルニアや坐骨神経痛などのきっかけとなるのです。

 

ここからは、当院でのぎっくり腰に対する施術についてお伝えします。

 

ぎっくり腰に対する当院の施術について

 

まず、ご予約いただいた時のお体の状況を確認させていただきます。
痛みが激しく歩いての移動が困難な状態であれば、来院を控えて安静にしていただく場合もあります。

歩行が困難なほどの激しい腰の痛みはぎっくり腰だけに限ったことではありません。
骨折の疑いも考慮しないといけませんし、内臓疾患からの激しい腰の痛みも珍しくありません。

ぎっくり腰の症状で来院された方は患部に強い炎症が起きている可能性があるので、質問票の記入や問診などもその時の状況に応じて進めていきます。お体に負担になることは極力控えながら行いますので、ご安心ください。

ぎっくり腰の方は腰周辺の筋肉の緊張だけでなく全身の様々なところにも筋肉の緊張が見られます。当院では腰の痛みと関連のある部位の調整を行い腰の状態を整えていきます。

施術を行う姿勢もぎっくり腰の程度に合わせて進めていきます。立っている姿勢が一番痛みを感じないのであれば立ったままで調整を行います。座った姿勢が樂に感じるのであれば座った姿勢で調整を進めていきます。もっとも楽だと感じる姿勢で進めていきます。
辛い姿勢があれば遠慮なくお伝えください。

施術後は寝返りがスムーズに出来るようになったり、椅子から立ち上がる動きが楽に出来るようになったりと、症状の軽減を体感していただけるはずです。

ぎっくり腰の場合、初回の施術で痛みが軽減すれば気分的にもかなり安心されると思いますが、これで終わりとせずに全身の状態を確認することをお勧めします。

なぜなら、ぎっくり腰になった方はほとんどの方で腰以外の部分にも緊張が見られるからです。これらの部分を調整することなく施術を終えると、やがては慢性腰痛に移行したり、椎間板ヘルニア、坐骨神経痛、そしてぎっくり腰の再発のきっかけに繋がっていく可能性があります。

慢性腰痛やぎっくり腰でお悩みお困りの方は、高松駅前 整体・カイロ院 カルーナまでお気軽にお問い合わせ、ご相談ください。